ファミリー・コンステレーションとは
ファミリー・コンステレーションとは、家族療法をベースにした心理療法です。
家族システム療法、家族布置、システミックセラピー、家族の座とも呼ばれます。
ファミリー・コンステレーションでは、個人の苦しみの原因をその内面に探るのではなく、その個人が所属する「家族システム全体」の中にひそむ問題と捉えます。現家族だけではなく、世代を遡って持ち越されているものも少なくありません。
家族システムの中で、忘れられた人や除外された人、見失われた人を探していきます。
さらに、戦争や災害、事故などで大きな心の痛みを抱えて、辛すぎて、心を閉ざしてしまった人を察知して、愛の流れが滞ってしまった場所を探します。
そして、それらの痛みを敏感に察知して、無意識に助けたい、役に立ちたいという想いから 痛みを背負い、同一化してしまった健気な私たちの魂を見ます。
それは一見すると苦しい状況に身を置いておいるように見えるのですが(そして、実際大変な状況にあるのです)、無意識のなかで家族に貢献しているという自負が密かに芽生えることから、ヒーロー感もあり、大人になっても頑張り続けます。
同時に、私たちはそのような生き方をしているとき、心の奥底では自分が空っぽで、なんだか他人事のように生きています。
過去の出来事を知らないとしても、無意識の中で影響を受けていることで、現在の私たちの悩みや問題として表出していることがあるのです。
たとえば、なぜか自暴自棄に生きてしまっているAさんの問題を見ていくと、知らされていなかった死産の姉の存在と母親の絶望感がひそんでいました。また、なにか辛いことがあると「死にたい、消えたい」という思いに駆られるBさんは、戦争で亡くなった祖父の痛みを背負っていました。
このように、今、現れている悩みや問題は、私たちの所属する家族や家系の歴史の中にある大きな痛み(事故や戦争によるトラウマ、忘れられた存在、隠された存在)にたどり着いていきます。これを「家族のもつれ」、または「見えない忠誠心」と言います。
「もつれ」の背後に、私たちが想像もしなかった光景や、家族の誰かを深く思いやる心が発見され、もつれを紐解いていくことで、深いつながりとシステム全体の愛の流れが取り戻されていくのです。
私たちは、自分の内側にある命の源との深いつながりを感じ取ることができた時、本来の等身大の自分自身に戻り、今までとは全く違った視点と新しい可能性が広がります。それは、明日に踏み出す原動力となり、きっかけの鍵となるものです。
自分の理解を超えた怒りや衝動がある。
どんなに止めようとしても、自分の石では止められない。
自分の人生を生きている感覚がない。
自分の人生が破滅に向かう方向に進んでしまう。
自己犠牲の道しか選べない。
「もう、疲れた・・・」
「もう、無理・・・」
そんな声があなたの内側から聞こえて来たら、
あなたが本当に自分の人生を生きたいと願っているのかもしれません。
あなたが本来の能力を十分発揮し、安心と穏やかさを取り戻すチャンスに違いありません。
あなたが本来の自分を取り戻していくことで、
自然と自己肯定感が高まってくるのを感じられるようになっていきます。
つながりセラピーでは、自分ひとりの力ではどうにもならない問題を抱えている方や、
今までいろいろなセラピーを受けてきたけれど改善しない方、
本来の自分らしい自分の人生を歩きたいという方へ、新しい扉を開けるお手伝いをします。
コンステレーションの視点
コンステレーションという観点から見ると、家族だけでなくすべてをシステムとして捉えていきます。
あるひとつのまとまりを持つ集まり、という捉え方をすると、家族、地域、学校、会社、国、という風に大きなシステムになっていきます。
また、わたしたちの身体もシステムから成り立っています。
つまり、家族についてだけでなく、会社組織についてや個人の内側のシステムを整えていくことも可能なのです。
ファミリーコンステレーションができること
・夫婦の問題
・親子の問題(親との確執、子どもの問題行動)
・社会への不安と恐怖(外に出られない、仕事に就けない)
・苦しい恋愛(見捨てられ不安、別れを繰り返す、結婚できない相手を選ぶ)
・人が怖い
・感覚がとても敏感、繊細(人の気や場のエネルギーをもらいやすい)
・存在することへの罪悪感
・お金の問題(お金を得ること、使うことへの罪悪感)
・衝動的な激しい怒り
・孤独感
・疎外感
・転職を繰り返す
・恋愛、アルコール、ギャンブルなどの依存
・摂食障害
・健康上の問題
また、ファミリーコンステレーションでは、家族の問題だけではなく、職場のモラハラ、パワハラや人間関係、会社の運営など、人や組織が抱えるあらゆる問題への取り組みが可能です。
お子さんの不登校や引きこもり、問題行動などへのアプローチも効果的です。この場合、お子さんというよりも親御さん自身に働きかけることで大きな変化のきっかけのひとつとなります。
会社の経営や運営上の問題、職場の不和、個人事業主の起業支援などは、「ビジネス・コンステレーション」として効果を上げています。
セッションの方法は、ワークショップと個人セッションがあります。
ファミリーコンステレーションを使った個人セッション
個人セッションでは、上記写真のお人形を使って代理人と同じように配置していきます。
基本的なセッションの流れは、ワークショップと同じです。
事前に家族や家系の出来事についてお知らせいただくこともお願いしています。(または当日お話を伺いながら整理します)
・他人の前で、自分の問題を話すことに抵抗がある。
・対人恐怖が強い。
・他人の影響を強く受け、会場にいるだけで疲弊してしまう。
・ワークショップの日程や時間を合わせることが困難。
・緊急の案件で、ワークショップ開催を待てない。
・大きなトラウマを抱えている。
このような方は、個人セッションがおすすめです。
個人セッションでは、ご自身の問題を、より俯瞰して多面的、多角的に捉えることができ、ワークショップとはまた違った深い効果を得ることができます。
どちらも現実で行動に移していくための原動力を得るには大きな効果を上げています。
ファミリー・コンステレーションの歴史
「ファミリー・コンステレーション」は、ドイツ人の心理療法家バート・ヘリンガー氏が確立したグループカウンセリングの手法のひとつです。家族療法の創始者バージニア・サティアを源流とし、NLP、交流分析、原初療法、ゲシュタルト療法など多くの手法を取り入れて、「ヘリンガーによるファミリー・コンステレーション」として大きく発展しました。その理論は会社や企業、組織運営に応用され、現在、欧米はじめ、30カ国に及ぶ世界に普及しています。
また2001年以降、バート・へリンガーのファミリー・コンステレーションは変容を遂げていきます。現在は「ニュー・ファミリーコンステレーション」と呼ばれていて、従来のファミリーコンステレーションとは区別されています。
当サロンでは、従来の古典的なファミリーコンステレーションを土台としたコンステレーションを提供しています。
ファシリテーター:しまむらまゆこ
ファミリーコンステレーションの日本での第一人者であり、「コンステレーションズ・ジャパン®️(旧へリンガー・インスティテュート・ジャパン)」代表のチェトナ小林(小林真美)氏のもとで、2015年から計4年間のシステミック・コンステレーション・トレーニングに参加しています。8期(基礎、研究、ファシリテーター養成コース)、9期(研究コース)、10期(基礎、研究、ファシリテーター養成コース)受講。
その後も、さまざまなトレーニングやワークショップに参加し、日々研鑽を続けております。
◇個人セッション料金 : 15,000円(2.5時間)